全国学力テストの英語の内容と問題例
全国の小学6年生と中学3年生が参加する全国学力テストで、中学生では2019年度からスピーキングを含む英語の試験が初導入されました。
「ゆとり教育」がダメだと言われたり、「詰め込み教育」がダメだと言われたり・・・世論とテスト結果の分析から、今後の義務教育の方針が決められます。
気になる英語の試験はどんな内容なのでしょうか?
目次
全国学力テストの英語の内容は?
2019年から中学3年のテストに英語が加わりました。
英語のテストの内容は次の4パートに分かれています。
- 「聞くこと」10分
- 「読むこと」20分
- 「書くこと」15分
- 「話すこと」5分
2019年度の試験時間は45分間、問題用紙は26ページで別冊の解答用紙に答えを記入します。パートごとに時間が決められていて、早く終わっても次のパートに進んだり、前に戻って解きなおすことはできません。
2019年の「話すこと」はパソコンを使って受け答えを録音します。録音したメモリーを回収して採点が行われます。
しかし各学校でのパソコンの配備状況に差がある事や、教師の負担を考慮して、学校によってはやらなくても可とされました。
それぞれのパートでアンケートも行われます。
アンケートの内容は2つで
「問題が分かりましたか」の問いに対し「良く分かった」から「ほとんど分からなかった」までの4つの選択肢に答えるもの。
「解答した時のあなたの状況」について「内容が思い浮かんだ」とか「回答する時間が足りなかった」などの選択肢に答えるものです。
全国学力テストの英語の問題
全国学力テストは文部省の正式名称は「全国学力・学習状況調査」です。
普段学校のテストで80~90点を取るような子でも、60点くらいになるようなハイレベルのテスト。統計的な分布をきちんと出すため、結果に差が出やすいように難しめに設定されているからです。
それでは具体的な問題の例を見ていきましょう。2018年に行われた英語予備調査の問題も含みます。
「聞くこと」の問題例
放送される英語の文章を聞いて、選択肢から回答を選んだり記入する問題です。
例1
放送の音声:There are a lot of books on my desk, so I can’t study here.
解答用紙の選択肢
例2
放送の音声:Our English teacher Mike is going back to his country this month. Let’s do something with him at school. What do you want to do with him? Give me your answers after class.
解答用紙:自分の考えを1文以上の英語で記入
「読むこと」の問題例
例1
()に入る適切な単語を選ぶ問題
問題:Things are getting smaller and easier to use. ( ) are one example. Some students use an electronic one when they don’t know a word.
選択肢:1Guitars 2Dictionaries 3Cars 4Boxes
例2
以下の文章を読み、自分の考えとその理由を英語で記入
問題:These days, taking pictures and video is getting easier.Which do you often use to remember good times, pictures or video? I usually take video to remember good times. I think that video is better than pictures because it has sound.What do you think?
解答用紙:自分の考えを英語で記入
「書くこと」の問題例
例1
()に入る適切な単語を選ぶ問題
問題:My brother was watching TV () I came home.
選択肢:1if 2when 3that 4or
例2
問題:外国人観光客向けに、日本のお土産としておすすめの物を英語で紹介する。
解答用紙:すすめたいものを1つ決めて,理由とともに30語以上の英語で記入
「話すこと」の問題例
例1
図を見て図の内容を英語で話す。時計の針が何時何分を指しているかなど。
例2
自分の学校を英語で紹介する。1分間で内容を考えて30秒で英語で紹介する。
「1分間考えましょう」・・・「それでは30秒で紹介してください。」
参考リンク
国立教育政策研究所:教育課程研究センター「全国学力・学習状況調査」
福井新聞:全国学力テスト英語予備調査の問題と解答(2018年5月31日公開)
全国学力テストの結果は集計・分析され、個人にも返却される
テストの結果は現在の教育の成果と課題を分析するのに使われます。入試に利用されることはありません。
小学校と中学校の義務教育の内容が適切かどうかテストの結果を見て判断し、教育指導や学習内容が見直されるのです。
もちろんテストの結果は個人にも返却されます。(返却される個人票のイメージ)
普段の授業のレベルから考えるとかなり難易度の高い内容も含まれます。
でも日常的に学習塾に通ったり、英語教材やオンライン英会話に親しんでいる子であれば特に心配はないレベルでしょう。
現在は中学生のみの英語試験ですが、2020年からは新小学校学習指導要領に変わりますので、将来的には小学生も英語の試験が実施される可能性がありそうですね。
これからの時代、ますます英語の重要性が高まっていきます。周りの子たちに遅れないためにも、小さいうちから英語に親しめる環境を準備してあげた方が良いでしょう。